みなさん、こんにちは!「動画と読書の栞」へようこそ。
週末の夜、部屋を少し暗くして、ポップコーンやお酒をお供に映画を楽しむ時間って最高ですよね。このブログでは、私が観た映画や読んだ本の中から、「これは絶対に誰かに語りたい!」と強く心を動かされた作品に、そっと栞(しおり)を挟んで皆さんにご紹介しています。
さて、今回このブログの栞に挟むのは、2021年に公開された日本映画『黄龍の村(こうりゅうのむら)』です。監督は、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズなどで今や日本のアクション映画界を牽引する存在となった阪元裕吾監督。上映時間はわずか66分という短さなのですが、その66分の中に「ホラー」「サスペンス」「コメディ」、そして「超絶アクション」がギュウギュウに詰め込まれた、まさにジェットコースターのような傑作エンターテインメントなんです。
そして、この記事のメインテーマとして取り上げたいのが、映画の終盤でとんでもないインパクトを残す存在……そう、「おびんたわらさま」です。しかも、このおびんたわらさまを演じているのが、Netflixドラマ『サンクチュアリ -聖域-』でも日本中を熱狂させた、あの俳優・一ノ瀬ワタルさん!
今回は、この『黄龍の村』が仕掛ける極上のどんでん返しと、一ノ瀬ワタルさん演じる「おびんたわらさま」の恐ろしくも悲しい正体、そして心拍数爆上がりのアクションシーンについて、ネタバレ全開でたっぷり語り尽くしたいと思います。「もう観たよ!」という方は一緒に興奮を分かち合い、「まだ観てないけど気になる!」という方は、ぜひこの狂気の世界へ足を踏み入れる準備として読んでみてくださいね。
それでは、さっそく『黄龍の村』の世界へ入っていきましょう!
騙されるな!王道ホラーからの「超絶」ジャンルチェンジ
まず、この映画のあらすじを簡単にご紹介しますね。 主人公は、レンタカーに乗ってキャンプ場へ向かう8人の若者たち。いかにも「パリピ」といったノリで、車内では音楽をガンガン鳴らし、スマホで動画を撮りながら大騒ぎしています。しかし、山奥で突然タイヤがパンクしてしまい、彼らは携帯の電波も届かない山の中で立ち往生することになります。
助けを求めて歩き出した彼らがたどり着いたのは、「龍切村(りゅうきりむら)」という奇妙な村でした。 村人たちは一見すると親切で、「よく来たね」「ご飯を食べていきなさい」と若者たちを大歓迎してくれます。しかし、出される料理はどこか不気味で、村人たちの笑顔の奥には得体の知れない狂気が見え隠れしています。
「あ、これ絶対ヤバい村だ……」 「『悪魔のいけにえ』とか『ミッドサマー』みたいな、田舎の村人に惨殺されるパターンのホラー映画だよね?」
映画を観始めた誰もが、最初はそう思うはずです。実際、夜になると村の雰囲気は豹変し、若者たちを神への生贄として殺そうと襲いかかってきます。絶体絶命の大ピンチ!……と思いきや、ここからが阪元裕吾監督の真骨頂です。
なんと、この「パリピな若者たち」、実はただの若者ではなく、全員がプロの暗殺者や格闘の達人だったのです! 彼らはある目的のために、わざとこの村に潜入していました。村人たちが襲いかかってきた瞬間、若者たちの表情は一変。「狩られる側」だったはずの彼らが、圧倒的な戦闘力で「狩る側」の村人たちを次々と返り討ちにしていくのです。
この瞬間のカタルシスたるや、言葉では言い表せません! 「うわぁ、逃げてー!」とハラハラしていたホラー映画が、開始数十分で突如として「爽快なアクション映画」へと鮮やかにジャンルチェンジするのです。この痛快な裏切りと、阪元監督ならではの泥臭くもスタイリッシュなアクションの連続に、私は思わず画面の前でガッツポーズをしてしまいました。
狂気の村落と不気味な信仰「おびんたわらさま」
さて、若者たちの正体が凄腕の集団だったことで、村人たちは完全に形勢逆転されてしまいます。しかし、そもそもこの村人たちはなぜ、外部から来た人間を殺して肉を削ぎ落としていたのでしょうか?
その理由こそが、村の信仰の中心にある「おびんたわらさま」の存在です。 村人たちは、外から迷い込んだ人間を殺し、その肉を焼き肉にして、「おびんたわらさま」と呼ばれる存在の祭壇に供物として捧げることを「村の決まり」としていました。犠牲になった仲間の肉を焼かれるシーンは、倫理観が完全に崩壊した村の異常性を決定づける恐ろしい描写です。 「おびんたわらさま」という、どこかユーモラスでありながら得体の知れない響きの名前。いかにも日本の土着信仰にいそうなネーミングですよね。
村人たちはこの「おびんたわらさま」を恐れ、同時に崇拝し、村の異常な風習を維持するための絶対的な象徴として扱っていました。若者たち(復讐者たち)の活躍によって村人たちは次々と倒され、村は壊滅状態になります。これで一件落着……かと思いきや、映画のラストで、ついにその「おびんたわらさま」が姿を現すのです。
一ノ瀬ワタルの真骨頂!おびんたわらさまの悲しき正体
祭壇の奥の檻に閉じ込められていた「おびんたわらさま」。その正体は、古き神でも悪霊でもありませんでした。 そこにいたのは、「十兵衛」という一人の巨大な男。そして、この十兵衛を演じているのが、我らが一ノ瀬ワタルさんです!
一ノ瀬ワタルさんといえば、元プロ格闘家という経歴を持ち、その鍛え上げられた分厚い肉体と、一度見たら忘れられない強烈な眼力が魅力の俳優さんですよね。『サンクチュアリ -聖域-』での猿桜役などでも圧倒的な存在感を放っていましたが、この『黄龍の村』における十兵衛役は、彼のキャリアの中でも屈指の恐ろしさと悲哀に満ちたキャラクターだと思います。
十兵衛は、生まれながらの神だったわけではありません。彼は子供の頃にこの村に連れてこられ、暗い場所に監禁され、村人たちによって「おびんたわらさま」に仕立て上げられた被害者だったのです。さらに恐ろしいのは、彼が子供の頃からずっと「人間の肉」を与えられ続けて育ったということ。劇中では、彼自身が自分の両親の肉すらも食べさせられていたことが明かされます。
この背景を知った瞬間、背筋がゾッと凍りつきました。村人たちは自分たちの狂気的なコミュニティを維持するために、無垢な子供を誘拐し、人肉を喰らわせて本物の「怪物」を人工的に作り上げていたのです。十兵衛の目には、理性を失った獣のような飢えと、人間としての感情が完全に壊れてしまった虚無感が宿っています。
一ノ瀬ワタルさんの演技は本当に凄まじいです。言葉を流暢に話すわけではなく、その圧倒的な巨躯から発せられるプレッシャーだけで、「あ、こいつはもう人間の常識が一切通用しない生き物になってしまったんだ」という絶望感を観る者に植え付けてきます。ただ怖いだけでなく、その背景にある「強要された狂気」への深い悲哀すら感じさせる一ノ瀬さんのたたずまいは、この映画を単なるB級アクションにとどまらせない、ズッシリとした重みを与えています。
圧倒的フィジカル!おびんたわらさまVS復讐者たちのアクション
映画のクライマックスは、村を壊滅させて帰路につこうとしていた若者たちと、解き放たれた「おびんたわらさま(十兵衛)」との死闘です。
ここまで無双状態だった若者たちも、十兵衛を前には苦戦を強いられます。なにせ相手は一ノ瀬ワタルさんです。格闘技で鍛え上げられたその肉体から繰り出される攻撃は、一撃一撃がダンプカーに跳ねられるような絶望的な重みを持っています。 阪元監督の撮るアクションシーンは、「痛みが画面越しに伝わってくる」ことで定評がありますが、このラストバトルはその最たるものです。十兵衛の拳が空を切る風切り音、叩きつけられる肉体の鈍い音、そして一ノ瀬さんの野獣のような咆哮が合わさり、とんでもない迫力を生み出しています。
対する若者たちも、ただやられるだけではありません。彼らは見事なチームワークを駆使し、持てるすべての技術を使ってこの「巨大な怪物」に立ち向かいます。このバトルシーンは、ホラー映画のラストというよりは、もはや少年漫画の「ラスボス戦」を観ているかのような熱さがあります。
お互いに血まみれになりながらの泥臭い殴り合い。技術と連携で勝る若者たちと、規格外のパワーと耐久力で圧倒する十兵衛。一ノ瀬ワタルさんの、どんなに攻撃を受けても決して倒れない、痛覚すら麻痺しているかのような不気味なタフネスぶりは、アクション映画のヴィランとして100点満点の恐ろしさでした。最後は若者たちが協力して死闘を制するのですが、観終わった後はまるで自分まで一緒に戦い抜いたかのような、心地よい疲労感と達成感に包まれました。
まとめ:66分に詰め込まれた極上のエンタメ
『黄龍の村』は、たった66分という短い時間の中に、映画の面白さがこれでもかと詰め込まれた素晴らしい作品です。 前半の「王道ホラーあるある」で観客を油断させ、中盤で「最強の戦闘集団」という驚きのカードを切ってスカッとさせ、そして最後に一ノ瀬ワタルさん演じる「おびんたわらさま」という哀しき怪物との死闘で物語を引き締める。この構成の妙は、何度観ても惚れ惚れしてしまいます。
特に、「おびんたわらさま」という存在を通して描かれた村の狂気は、閉鎖的なコミュニティやカルト的な信仰の恐ろしさをエンタメとして見事に昇華していました。そして、その極限の狂気を肉体ひとつで表現しきった一ノ瀬ワタルさんの怪演は、間違いなく本作のハイライトと言えるでしょう。
「ちょっと刺激的な映画が観たいな」「最近、スカッとするアクションに飢えているな」という方には、全力でおすすめしたい一本です。66分という短さなので、平日の夜でもサクッと観られるのも嬉しいポイントですね。
皆さんは、『黄龍の村』の鮮やかなジャンルチェンジに驚きましたか?そして、一ノ瀬ワタルさん演じるおびんたわらさまの圧倒的なアクション、どう感じましたか?ぜひ、コメント欄で皆さんの感想も教えてくださいね。
それでは、今回の「動画と読書の栞」はこの辺で。 また次回の記事で、新しい作品の栞を一緒に挟みましょう!お楽しみに!


