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【ネタバレ解説】伊坂幸太郎『マリアビートル』不運と偶然が交錯する!殺し屋たちの壮絶な最期まとめ

みなさん、こんにちは!いつも当ブログに遊びに来てくださり、本当にありがとうございます!

さて、今回取り上げるのは、日本が誇るエンターテインメント小説の最高峰、伊坂幸太郎さんの大ヒット作『マリアビートル』です!ブラッド・ピット主演で『ブレット・トレイン』としてハリウッド映画化もされた本作、皆さんはもう読まれましたか?あるいは、映画から入って原作小説を手に取ったという方も多いかもしれませんね。

東京から盛岡へと向かう東北新幹線「はやて」という密室(しかも時速300キロで爆走中!)を舞台に、因縁あり、勘違いあり、そして何より「圧倒的な不運」ありの殺し屋たちが大集結するこの物語。ページをめくる手が止まらないほどのスピード感と、張り巡らされた伏線が見事に回収されていく爽快感は、まさに伊坂マジックの真骨頂ですよね。

物語の中心にいるのは、自他共に認める「世界一不運な殺し屋」である七尾(コードネーム:天道虫)。彼がただの荷物運びとして乗車したはずが、なぜか次々と凄腕の殺し屋たちと遭遇し、命を狙われたり、意図せず彼らを倒してしまったりと、新幹線内はまさにカオス状態に陥ります。

今回の記事では、そんな本作の大きな魅力であり、同時に物語の核心でもある「キャラクターたちの最期」にフォーカスを当ててみたいと思います。それぞれの思惑が交差した結果、彼らはどのような結末を迎えたのか。一人一人のエピソードを振り返りながら、じっくりと語っていきましょう!

※注意!この記事は『マリアビートル』の重大なネタバレを含みます。まだ読んでいない方、これから結末を楽しみにしている方は、ぜひ小説を読み終えてからまたここに戻ってきてくださいね!

それでは、出発進行です!

目次

狼

まずは、物語の序盤で強烈なインパクトを残した「狼」からです。彼は以前から七尾に対して強い恨みを抱いていました。狼の視点からすれば、自分の人生がうまくいかないのも、過去の仕事で大失敗をしたのも、すべて七尾のせいだと思い込んでいるんですよね。そんな因縁の相手である七尾と、偶然にもこの新幹線内で遭遇してしまいます。

狼にとっては「待ちに待った復讐のチャンス!」だったはずです。しかし、ここで発揮されるのが七尾の恐るべき「不運(という名の強運?)」でした。通路で七尾と激しく組み合い、まさに生死を分けるような乱闘を繰り広げている最中、なんと新幹線が大きくカーブして車体がガタン!と揺れます。

その予測不能な揺れのせいでバランスが崩れ、もつれ合った結果……なんと狼は首を折られてあっけなく死亡してしまいます。凄腕の殺し屋同士の戦いが、まさかの「電車の揺れ」で決着がついてしまうなんて!七尾自身も「また俺の不運のせいで人が死んでしまった…」と嘆いていましたが、読者からすると「いやいや、あなたの悪運、最強すぎませんか!?」とツッコミを入れたくなるような、ブラックジョークの効いた最期でした。

峰岸の息子

続いては、殺し屋ではありませんが、この物語の全ての「引き金」となった超重要人物、峰岸の息子です。裏社会を牛耳る超大物・峰岸の愛息子であり、彼を無事に護送することが、殺し屋コンビである檸檬と蜜柑の本来のミッションでした。

しかし、物語の序盤で彼はあっさりと死体となって発見されます。殺害される決定的な瞬間こそ作中では詳しく描写されていませんが、のちに恐るべき暗殺者・スズメバチ(女)によって毒で殺害されていたことが判明します。

彼が死んでしまったことで、プロフェッショナルであるはずの檸檬と蜜柑は大パニックに陥り、トランク(身代金)も行方不明になり、新幹線内の事態は一気に複雑化していきます。出番こそ一瞬(しかもほぼ死体)ですが、彼がいなければこのドタバタ劇は開幕しなかったと言っても過言ではありません。そういう意味では、影のMVPとも呼べる存在ですね。

スズメバチ(女)

お次は、新幹線内に潜伏していた恐るべき毒使い「スズメバチ」の女性です。実はスズメバチは単独犯ではなく、男女でタッグを組んで活動しているという狡猾な殺し屋でした。

彼女の何が恐ろしいって、その完璧な変装です。なんと「車内販売の女性」に化けて、ターゲットに少しずつ近づいていたんですよね。あの狭い新幹線の中で、車内販売員ほど違和感なく乗客に近づける職業はありません。峰岸の息子を毒殺したのも彼女の手口でした。

しかし、またしても彼女の前に立ち塞がったのは、我らが不運な殺し屋・七尾です。七尾の鋭い観察眼(と持ち前のトラブルを引き寄せる体質)によって正体がバレてしまい、狭い車内で激しい乱闘に発展します。毒針という致命的な武器を持つスズメバチに対し、七尾は絶体絶命のピンチに陥りますが……。

結果的に、七尾との格闘の末、彼女もまた首を折られて死亡してしまいます。狼に続いて、またしても七尾の「首折り」が炸裂!七尾本人は決して好んで殺しているわけではなく、必死に生き残ろうともがいた結果なのですが、傍から見れば「次々と凄腕の殺し屋の首をへし折っていくヤバい奴」になっているのが最高に皮肉で面白いですよね。

檸檬

さて、ここからは読者の涙を誘った大人気コンビのお話です。まずは「きかんしゃトーマス」をこよなく愛する男、檸檬。彼は一見するとおちゃらけていて、何事もトーマスのキャラクターに例えるという変わった性格ですが、仕事の腕は超一流。相棒の蜜柑との掛け合いは、この小説の最大の癒しポイントでもありました。

そんな彼ですが、物語の終盤、ついにすべての元凶である「王子」という中学生(見た目は優等生ですが、中身は純度100%の邪悪なサイコパス)の正体に気がつき、彼を追い詰めます。「やっとあの憎たらしい王子に天罰が下る!」と読者全員が拳を握りしめたその瞬間……。

なんと、檸檬は急激な眠気に襲われてしまいます。実は少し前に、七尾が自分の身を守るために飲み物に仕掛けていた「強力な睡眠薬」を、檸檬が偶然飲んでしまっていたのです!ここでも七尾の意図しない行動が、最悪のタイミングで連鎖してしまいます。

意識が朦朧として動けなくなった檸檬は、抵抗できないまま、あろうことか王子によって冷酷に殺害されてしまいます。一番死んでほしくなかったキャラクターが、よりにもよって一番憎い悪役の手にかかるという、あまりにも理不尽で悲しい最期。伊坂先生の容赦のなさに、ページをめくりながら絶望した読者も多いのではないでしょうか。

蜜柑

そして、相棒である檸檬の死を知った蜜柑の最期も、輪をかけて悲劇的で、そしてどこか滑稽なものでした。

普段は冷静沈着で、文学を愛するインテリ肌の蜜柑ですが、檸檬の遺体を発見したことで静かな怒りを燃やします。二人の絆の深さが痛いほど伝わってくる名シーンでした。そして蜜柑の鋭い推理力によって、見事、檸檬を殺した犯人が王子であることを見破ります。

ついに蜜柑が王子を追い詰め、檸檬の仇を討つ一歩手前まで迫ったその時!

「ガチャッ」

背後のドアから、まったく空気を読めないタイミングで入ってきた人物がいました。そう、皆様ご存知、不運な男・七尾です。七尾からしてみれば「うわ!めっちゃ怖い殺し屋(蜜柑)がいる!殺される!」とパニックになり、反射的に蜜柑に飛びかかってしまいます。

不意を突かれた蜜柑は、七尾との揉み合いの末……またしても「首を折られて」殺害されてしまうのです。

読者からすれば「七尾、お前ふざけんな!!」と叫びたくなる瞬間です。あと数秒あれば、王子を始末して檸檬の無念を晴らせたのに。七尾は自分が「悪役を追い詰めていた正義の(?)味方」を殺してしまったことに気づいておらず、ただただ自分の不運を呪うばかり。この残酷なすれ違いこそが『マリアビートル』という作品の凄みであり、悲しくも笑えてしまう最高のブラックコメディたる所以ですね。

木村

物語の中で、ある意味で最も読者が感情移入したであろう人物が、元殺し屋でアルコール依存症の父親・木村です。

彼は、悪魔のような中学生・王子によって屋上から突き落とされ、意識不明の重体となった幼い息子(渉)の復讐を果たすため、決死の覚悟でこの新幹線に乗り込んできました。親としての深い愛情と、自分への不甲斐なさが入り混じった彼の心情には、胸を打たれるものがありました。

しかし、物語の中盤で、勘違いと不運が重なり、檸檬に銃で撃たれて重傷を負ってしまいます。大量に出血し、そのまま死んでしまうのではないかとハラハラしましたが……。

結論から言うと、彼は驚異的な生命力で一命を取り留めます!凄惨な死を遂げていく殺し屋たちが多い中、木村が生き残ったことは、この物語における最大の「救い」だったと言えるでしょう。終盤、彼を取り巻く状況が一変し、王子に対する強烈な「しっぺ返し」が待っている展開は、思わずガッツポーズをしてしまうほどの爽快感がありました。木村さん、本当に生きていて良かった……!

峰岸

最後にご紹介するのは、裏社会を恐怖で支配し、作中で誰もが恐れていた大ボス・峰岸です。息子の死体と身代金のトランクを回収するため、自ら大量の部下を引き連れて、終点の少し手前である「福島駅」のホームで新幹線を待ち構えていました。

読者は「ついに七尾たちが、この恐ろしい大ボスと対面してしまうのか!?」「壮絶な最終決戦が始まるのか!?」と身構えます。

しかし、結末はあまりにもあっけないものでした。ホームに降り立った峰岸は、車掌に扮装して待ち受けていたスズメバチ(男)によって、一瞬にして殺害されてしまうのです。

このシーン、実は細かい殺害描写がほとんど描かれていません。「えっ?あの最強の峰岸が、こんな一瞬で!?」と拍子抜けしてしまうほど、あっさりと退場してしまいます。しかし、それこそがプロの暗殺者(スズメバチ)の恐ろしさであり、どんな権力者であっても死ぬ時は一瞬であるという、裏社会のリアルな無常観を描き出している見事な演出でした。大ボスをこんなにあっけなく処理してしまう伊坂先生のストーリーテリングの巧みさに、ただただ脱帽です。

まとめ

いかがだったでしょうか。 七尾の恐るべき「首折り無双(本人は超必死)」によって散っていった狼、スズメバチ(女)、蜜柑。そして不運な偶然が重なって命を落とした檸檬。読者の心を熱くした木村の生還。そして大ボス・峰岸のあっけない最期。

『マリアビートル』は、一人一人の行動がドミノ倒しのように連鎖し、予想もつかない結末へと向かっていく、本当に緻密に計算された群像劇です。誰か一人の行動がほんの少しでも違っていれば、彼らの運命はまったく別のものになっていたでしょう。

この記事を読んで「もう一度あの伏線回収を味わいたい!」と思った方は、ぜひ本棚から『マリアビートル』を引っ張り出して、再読してみてくださいね。結末を知ってから読むと、また違った視点でキャラクターたちの不運(あるいは幸運)を楽しむことができるはずですよ!

それでは、今回の「動画と読書の栞」はこの辺で。 最後まで長文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

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